職場の上司から、お下がりの一眼レフカメラ「NIKON D3200」を譲っていただいてから、早1年が経ちました。
一眼レフを手にしてからと言うもの、すっかり写真を撮る事にハマり、毎日が勉強と試行錯誤の日々。
もはやすっかり型落ちのエントリー機であるD3200ではありますが、ド素人の私には充分すぎる代物。今では手放すことのできない愛機となり、どこに行くにも持ち歩いています。
さて、一眼レフ歴2年目を迎える今年も、夏がやってきました。
写真撮影をする者にとって、夏といえばやっぱり「星空撮影」の季節。
当初から興味はあったものの、「自分のカメラやレンズでは無理だろう」と諦めていたのですが、せっかく訪れた2度目の夏。とりあえずダメ元で挑戦してみることにしました。
Contents
D3200でも撮れることが判明
さて、やるとなったらとことん調べます。
ググりまくって、星空撮影についての情報を集めていると
一眼レフ初心者向けの星空撮影(天の川撮影)について非常に分かりやすく解説されている記事を発見。
参考 天の川撮影方法は意外と簡単!一眼レフ初心者でも出来る星空撮影入門テクニックphotografan必要な機材や、撮影テクニックなど、初心者にも分かりやすいように工夫して解説されています。本当にありがたい。
さて、記事によると、エントリー機+付属レンズキットでも星空撮影は可能であることが判明しました。
私の使っているD3200のようなAPS-Cサイズのカメラでも充分に撮影出来ることが分かり、心が踊ります。
さらには、「天の川」もそれなりに綺麗に撮影できるとのこと。時期的にちょうど良い!これは撮りに行かねば。
撮影に使用した機材
今回は、思いついたその日の晩に撮影してきたので、機材を買い足すことはなく、必要最低限の手持ちの道具だけで挑みました。
Nikon D3200
センサーサイズはAPS-C、ISO最大6400。2012年発売のちょっぴり型落ちなエントリー機です。
Nikon 単焦点レンズ AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
普段から愛用しているコスパ最強の単焦点。言わずと知れたNikkorのベストセラーです。星空撮影には明るいレンズが適しているため、F1.8は充分。むしろちょっと絞ったほうがいいかもしれません。
しかし問題は画角の狭さ。私はキットレンズとこれしか持っていないので使用しましたが、お持ちの方は広角レンズを使用することをオススメします。星は夜空一面にまんべんなく輝いていますし、空って被写体としてめちゃくちゃ広いですからね。
Fotopro 三脚 DIGI-204 BK
三脚だけは必須です。1年前にAmazonで購入したアルミ製の4段。非常に安価な上、軽くて持ち運びしやすいので重宝しています。ただ、今回撮影した日は強風で、三脚ごと動いてしまうことがありました。星空撮影に関しては、三脚にもある程度の重量が必要なのかもしれません。
いざ撮影
当日は、月齢もちょうど新月に近く、21時に月の入。
さらに、高気圧の影響でほとんど雲がないという好条件に見舞われました。
22時頃に家を出ましたが、もう駐車場の時点で星が見えていてテンションが上がりました。
車で行ける範囲で、最も公害が少なく、暗いと思われる海岸へ。
画像は編集して明るくしてあります。実際にはかなり暗く、石も多いので気をつけながら歩きます。
昼間でもほとんど人が来ない海岸なので、この時間になると誰も居るはずがありません。
正直、ちょっと怖かったので、鼻歌を歌いながら撮影にとりかかりました。
柔らかい砂に苦戦しながらもなんとか三脚を立て、カメラを固定。
この日は本当に条件が良く、目視でハッキリと天の川を確認することができました。期待が膨らみます。
レンズとカメラの設定を変更
今回はオートフォーカス機能のあるレンズを使うので、それを切らなければなりません。
レンズの左側についているスイッチを【M/A】から【M】(マニュアル)に切り替えます。
手ぶれ補正機能があるレンズの場合は、そっちのスイッチもOFFに切り替えてください。
あとは、日中勉強してきたとおりにカメラの設定を変更します。
F値: 1.8(開きすぎかも)
ISO感度: 1600(暗い場合はもっと上げていいみたいです)
シャッタースピード:15~20秒
セルフタイマー: 5秒
今回はF値1.8の明るい単焦点レンズを使用しているため、その分ISO感度やシャッタスピードは抑えています。
セルフタイマーを設定しているのは、撮影時のブレを軽減するためです。本来は、レリーズを使って遠隔でシャッターを切ったほうがいいみたいです。
星にピントを合わせる
撮影で最も苦戦したのがこのピント合わせです。
ライブビューモードに切り替えて、液晶モニターを見ながら、レンズのフォーカスリングをくるくる回して星を探します。
しかし、どんなにくるくるしても、全く星を捉えることができません。
夜空にはたくさんの星が輝いているにも関わらず、液晶モニターには闇ばかりが映し出されます。
その後、涙目で15分ほど悪戦苦闘した末に、偶然明るい星を捉えることができました。心がほぼ折れかけました。
後日、調べてみて分かったのですが、ピント合わせのために星を探す時は、
初めにレンズのピントを無限遠に設定しておいて、そこから少しずつピントを近づけていく
ISOを可能な限り最大にして液晶モニタに星が映りやすくしておく
の2点がポイントみたいです。ちゃんと調べていけばよかった。
星を捉えた後は、液晶に映っている星の点ができる限り小く映るようにピントを微調整します。これも結構難しい。
ここでいかにピントを合わせられるかで、撮った写真の出来が決まるそうです。妥協せずに頑張りましょう。
実際に撮ってみる
さぁ準備は整いました。
さっそく撮影してみます。狙うは頭上に輝く天の川!
シャッターボタンを押すとセルフタイマーが起動し、数秒後に「カシャッ」っとシャッターが開きます。
シャッターが閉じるまでの15秒間は、強風が吹いてカメラが動かないことを祈りながら、ただ静かに待ちます。
そして、ノイズリダクションによる数秒のラグの後に
ついに、「初めての1枚」が写し出されました。
…..うん、星が映ってる。ちゃんと星が映ってるけど…
頭のなかで描いていた理想とのギャップに愕然としてしまいました。
天の川の中央を収めたはずなのですが、目視で見えている星の半分も映っていません。
その後も設定を変えながら、何度も撮影しますが、同じような写真しか撮ることができません。
カメラが悪いのか、レンズが壊れているのか、そもそもエントリー機じゃ無理だったのではないか
色々な事を考えながら2時間近く格闘した末に心が折れ、冷たい夜風にうたれながら、1人しょんぼりと帰路につきました。
しかし、神はまだ僕を見捨ててはいなかったのです(壮大なBGM)
編集したら化けた
落ち込みながら自宅に戻った僕は、撮った写真を少しでもマシなものにしようと、最近使い方を覚えてきたAdobeの画像現像ソフト、「Lightroom」で写真を編集してみることにしました。
とりあえず、明瞭度や露光量、ハイライト辺りを動かせば星が目立つのではないかと考え、実際にメーターを適当に操作してみたところ、
!?
なんという事でしょう。
先程まで絶望的に闇の深かった写真が、美しい天の川に生まれ変わりました。
一瞬何が起こったのか分からず、あまりの衝撃に文字通り固まりました。
ビフォアーアフターを、スライドでごらんください。
デジタル現像って、ここまで変わるものなんですね。
他の写真も現像してみると、全く違う写真のように生まれ変わっていきます。なにこれすごい楽しい。
単焦点レンズなので画角が狭く、天の川の中心部しか映っていませんが、目視で見えた以上の星を撮影することができました。
本当にガッカリしていたので、反動で嬉しくて泣けました。
そして、カメラやレンズが壊れていなかったことに、心から安堵したのでした。本当に良かった(T^T)
終わりに
ということで、初めて挑んだ天の川撮影は、失敗のような成功のような、なんともいえない結果に終わりました。
きっと写真の編集って賛否があるんでしょうし、同じエントリー機でも、上手な人が撮れば、編集なしでも綺麗に撮ることができるのでしょう。
とりあえず今回は、「エントリー機でも編集すれば天の川を撮影できる」という結論で許していただきたいと思います。
初めての星空撮影だったので、色々と試しながらのグダグダ撮影になり、下調べ不足もあって痛い目にもあいましたが、なんだかんだで、本当に楽しい経験になりました。
は今回撮った写真の拡大図、ピントが甘く、赤道儀を使用していない事もあり、星が線のように伸びてしまっている事がよく分かります。
また、単焦点レンズを使用したために画角が狭く、地上のオブジェクトと一緒に写真に収めることもできませんでした。
今後はより星空撮影のテクニックを学び、しっかりと装備を整えて、もう1度天の川に挑んでみたいと思います。
初心者+エントリー機でも(編集をすれば)天の川の写真を撮ることができる
レンズは広角のものを使用したほうがよい
ピント合わせは妥協せず、しっかりやるべし
赤道儀がほしくなる
なんだかんだで、星空撮影は楽しい!
だらだらと長い記事になってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
最近、一眼レフカメラを購入したという方や、興味を持っていただいた方は、ぜひ星空撮影にチャレンジしてみてください。
初心者でも、安いカメラでも、想像以上の写真が撮れるかもしれません。