2022年上半期の買ってよかったモノまとめました(07/12)

台風の進路予測のために必ずブックマークしておきたい究極の気象情報サイト4選

以前はテレビやラジオによる報道が生命線であった台風情報ですが、現在ではネットを通じて、より多様な情報を入手できるようになりました。

私も沖縄県に居住していた時期があり、2003年の台風14号(912hPa)や2004年の台風18号(924hPa)などの大型台風の凄まじさを直に体感したことから強い防災意識を持つようになり、以来十数年間、WEBサイト上で台風情報を取得する手段を素人なりに追求してきました。

今回は、そんな数あるWEBサイトの中から、

  1. 台風の『進路予測』に適している
  2. 国営気象台など信頼できるデータソースを使用している
  3. 1年間以上の運営実績がある
の条件で、台風の進路予測ならばこれをおさえておけば間違いないという気象情報サイトをを4つ厳選してご紹介します。

1. 気象庁-台風情報/防災情報

気象庁 Japan Meteorological Agency

言うまでもなく、民間気象会社や報道機関が発表する台風情報は気象庁の情報に基づいています。

昨今では国外の気象情報も含めて様々な台風情報を入手できるようになりましたが、国内に接近する台風について、最も優先して確認すべきは気象庁の情報でしょう。

数値予報モデルの改良や、ひまわり8号等の様々な新しい観測データの活用により、台風進路予報の精度についても近年目覚ましい向上が見られる気象庁。

最近は、台風の予報円の半径も本当に小さくなりましたよね。

 

台風情報

国内全ての報道情報の基となる台風情報は、台風が接近すると1時間おきの間隔で更新され、気象衛星と各地のデータに基づいた最新の情報を提供。細かい進路の変化や中心気圧の変化なども知ることができます。

 

 

最近の防災情報はすごい

沖縄などの台風の直撃が多い地域にお住まいの方はご存知でしょうが、実際に大型台風が接近すると、気象庁や地方気象台から定期的に防災気象情報が発表されます。


気象庁HPの【全般気象情報】のページから、地方・府県を選択すると、その地域に該当する防災情報が一覧で表示されます。実際に大型台風が接近すると、各地方の気象台から、補足情報的に詳細な台風情報が記載された資料のPDFが提供されることがあります。これが非常にありがたい

上図は、昨年の台風発生時に、実際に石垣島気象台経由で掲載された台風情報の例です。

暴風が吹く時間帯・方角を知っておくことは台風の被害を未然に防ぐ上で非常に重要な事で、2枚目のように、風速や方角が時系列で分かりやすくまとめられた図表形式の資料は極めて貴重です。大型台風が接近した際には必ず確認しましょう。

 

 

2. Windyty

 Windyty. Wind map & weather forecast

2014年に登場し、大気シミュレーションに革命をもたらした「Windyty」。すっかり有名になりました。

風・雲・気温・雨・波・気圧などのリアルタイムデータをマップ上に重ねて視覚的に確認することができるという素晴らしいWEBサービスなのですが、なにより便利なのが、10日前後先までの予測データをシミュレートできるということ。

 

 

 icon-arrow-circle-up 画面下部のバーを操作することで、指定した日時の予測データを読み込むことが可能。

これによって台風の予測進路、風速、風向きを分かりやすく視覚的に把握することができます。

 

ECMWFをデータソースにしている

類似サービスに、GFSを利用したnullschoolの「earth」がありますが、WindytyはECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)の気象データを基にしており、10日間という長期予報+高精度な気象予報を実現しているという点が評価されています。

ECMWFの予報精度

ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)は最高峰の数値解析技術を持っており、その予報精度は世界一と言われています。

 

データソースはECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)とGFS(アメリカNOAA)から選ぶことができ、画面右下のメニューから切り替えることが出来ます。

 

上図2枚は2017年台風6号の、7月30日21:00時点でのECMWF、GFSの予測位置。ECMWFの方が西寄りに進路を予想しています。

GFSの予報も判断材料として確認し、両者を比較・検討されるのも良いと思います。

専用アプリも

Windytyは専用アプリもありますので、スマホやタブレットからでも確認できます。

iOS

‎Windy.com - 天気とレーダー
‎Windy.com - 天気とレーダー

Android

 

 

ECMWFのより正確な情報は公式サイトで

WindytyはECMWFをソースとしていますが、公式に公開されている情報と若干の差異がある場合があります。

より正確な気象情報はECMWFの公式サイトから閲覧することができます。

先日のアップデートでエリア設定の項目から【Asia】が消えてしまったので、少し日本から遠ざかってしまいますが、【Eastern Asia】を選択して使用してください。

10日間という長期予報は素晴らしい技術ではありますが、当然ながら、「予報時間が進むほど精度が落ちる」ということは認識しておく必要があると思いますまた、時刻表示はUTC(協定世界時)なので、表記時間から9時間足し、日本時間に変換してご利用ください。

 

 

3. 米軍合同台風警報センター(JTWC)

Joint Typhoon Warning Center (JTWC)

アメリカの米軍合同台風警報センター(JTWC)が発表する台風情報です。

予報期間は気象庁と同じ5日。更新頻度は通常6時間です。

ちょっと個人的な意見になりますが、JTWCの台風進路の予報精度に関しては、「気象庁より遥かに優れている」という、一部からの熱烈な支持を耳にすることが多々あります。しかし、そこは専門家の間でも議論のあるところのようですので、あくまで1つの判断材料として扱っていただきたいと思います。

 

台風の進路予報を見る

海外サイトなので、少し難しそうに見えるかもしれませんが、慣れてしまえば軽くて使いやすいサイトです。

台風に関する情報は、Current Northwest Pacific~以下、サイト上部の赤枠で囲んだ部分。

執筆時現在は3つの台風/熱帯低気圧の情報が並んでいます。

Current Central/Eastern~以下の青枠で囲んだ部分より下は、ハリケーンの情報なので見なくていいです。

 

Typhoon 数字 W ~から始まるブロックが1つの台風に関する情報です。

台風の予測進路は、上から2番目の「TC Warning Graphic」という項目から見ることができます。

こちらも時間表示はUTC(協定世界時)なので、+9時間で日本時間に変換できます。

例えば上図中の「02/06Z」という表記は、日本時間の「8月2日15時」ということになります。

JTWCもタイミングによってサイトの体裁が変化することがありますが、概ね同じような手順で閲覧できると思います。

 

台風の卵を見つけやすい

個人的には、JTWCの真価は”南太平洋域の低圧部(台風のたまご)を監視しやすい“という点にあると思っています。

 

ページ下部の、「ABPW10」という項目で、西・南太平洋の全体的な気象情報を確認することが出来ます。

Satellite image」をクリックするとこのような広域の衛生画像が表示されます。

執筆時現在ではこのように、日本近海の2つの台風と、1つの熱帯低気圧が表示されています。

台風はTY(Typhoon) 、熱帯低気圧はTD(Tropical Depression)と表記されていますね。

この衛星写真には、このように現在発生中の台風・熱帯低気圧が表示される他、まだ気象庁がマークしていないような台風に発達しうる低圧部が「HIGH・MEDIUM・LOW」の3段階で評価されて表示されます。

 

LOW監視対象であるが、24時間以内に発達する可能性は低いもの
MIDDLE監視対象であり、24時間以内に発達する可能性が高まってはいるが、発達にはおそらく24時間以上かかりそうなもの
HIGH 監視対象であり、今後24時間以内に発達すると思われるか、もしくはすでに発達が始まっているけれども、まだ台風警報を出す基準には達していないもの

 

 

例えばこちらは、今月の19日の時点での衛星写真。

後に現在の台風9号となる低圧部が、LOW評価の黄色の丸で示されていたことが分かります。

 

沖縄県の「欠航率が高い船舶圏域の離島にお住まいの方」や、海や船に関わる職業の方の中には、この衛星写真を日常的にチェックしている方も数多くいらっしゃいます。

「台風のたまご」となりうる南方海域の低圧部を把握することは、台風の襲来を事前に予測し、台風による被害を未然に防ぐ事にも繋がります。特に南方の離島にお住まいの方は定期的にご確認ください。

 

 

4.Multi-Agency TC Forecast

Integrated Multi-Agency Tropical Cyclone Forecast

1997年にフィリピンで立ち上げられた「Typhoon2000.com」が公開している、知る人ぞ知る超便利なWEBサービス。

驚くべきことに、先程紹介した米軍のJTWCや、日本の気象庁、中国の香港気象台など、アジア圏を中心とした6カ国・7気象機関が公表している台風予測進路を、一つの地図に同時に表示することができます。

 

使い方

使い方は非常に簡単。Multi-Agency TC Forecastのページにアクセスし、

トップページの【Please select…】と書いてあるドロップメニューをクリックします。

 

 

 

すると、このように「現在発生している台風の名前」が一覧で表示されるので、進路を見たい台風を選択して、【View track】をクリック。

 

※台風の名称は、「台風委員会」という国際機関で取り決めて命名されています。見たい台風の名前が分からない場合には、気象庁の台風情報などでも台風の号数のとなりに必ず名称が記載されていますので、確認してみてください。

 

台風の名前をクリックすると、その台風の各気象台の予想進路が色別で表示されます。

上図は今回の2017年台風5号(NORU)の予想進路です。各国ほとんど変わらない予想をしていますね。

気象庁と米軍の進路予測を簡単に閲覧・比較することができるというだけでも、充分に利用する価値があります。

機関名表記名称国名
香港気象台HONG KONG(HKO)中国
米軍合同台風警報センターUSA(JTWC)アメリカ
オレンジ気象庁JAPAN(JMA)日本
深緑中国気象局BEIJING(NMC)中国
台湾交通部中央気象局TAIWAN(CWB)台湾
黄緑大韓民国気象庁KOREA(KMA)韓国
水色フィリピン大気地球物理天文局PHILI(PAGASA)フィリピン

 

 

 

おまけ:ひまわり8号リアルタイムWeb

ひまわり8号リアルタイムWeb – NICT

ひまわり8号リアルタイムWEB」は気象庁提供する、ひまわり8号衛星高解像度可視画像を閲覧することができるWEBサービスです

2015年に正式に運用が始まった「ひまわり8号」は、ひまわり7号に比べて4倍もの高解像度+カラーでの衛星写真の撮影が可能になり、本当に美しいリアルタイムな衛星写真を閲覧することができます。

 

台風の進路を予測するという記事タイトルには沿わないのですが、台風に備えるという点においては、この「ひまわり8号リアルタイムWeb」も非常に有用と言えます。

台風情報を調べる際に意外と盲点になりやすいのが、実際の「台風の大きさや雲の形状」。台風の雲の大きさは、その中心気圧や気象条件によって様々ですし、形状も綺麗な円形をしているわけではなく、偏西風などの影響で、非常にいびつな形になっている事もあります。

ひまわり8号の精細な衛星写真を見れば、その台風の雲の形状や目の位置、自分の住んでいる地域が台風のどの辺りに位置しているのかを正確に把握することが出来ます。過去の衛星写真から雲の動きの推移を読み取れば、台風による雨風の影響を受け始める時間や、雲を抜けて天気が回復し始める時間も推測することが可能です。

実際に高解像度の衛星写真で台風の雲を見てみると、台風という気象現象がいかに”異質”で”恐ろしい”ものであるかを改めて実感させられます。ぜひ一度ご覧になってみてください。

 

 

台風は備えておいて損はなし

台風は、ある日唐突に我々を襲ってくる地震とは違い、事前に情報を得ることができ、備える事で被害を最小限に抑える事ができる災害です。

台風が来ると分かれば、家屋周辺の補強や飛散物の片付け、停電の対策、避難場所の確認、飲料水や非常食の確保と、事前にできる準備は多々あります。台風に関しては備えても備え過ぎということはありません。

 

ご紹介してきたように昨今では、インターネットの普及により、国内外の様々な台風情報を得られるようになりました。

それぞれの気象情報を判断材料としてしっかりと確認した上で、より正しい情報を選び取り、台風に備える意識を常に持ちつづけていきましょう。

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