久しぶりにwindowsユーザー向けの記事でも。
さて、みなさんはどんな音楽再生・管理ソフトを使っていますか?
iTunesばかりが目立ってきたwindowsの無料音楽管理・再生ソフト界隈ですが、実際にはWinampやAIMP、MediaMonkey・TuneBrowserなどなど様々な優良フリーソフトが存在してきました。
その中でも、近年最も評価・注目されており、個人的に「日本人が使用する上で最も優れている」と考えているのが『foobar2000』と『MusicBee』。
周囲のエンジニア界隈でも、大抵このいずれか、あるいは両方を使用している方が多いように思います。
出典:slant.co_musicbee_vs_foobar2000
この両者の優劣ついては海外のフォーラムやSNSなどでも時折議論されており、投票が行われた場合にもその結果に大きな差は出ないようです。
今回はそんな「foobar2000」と「MusicBee」両者の機能や特徴を紹介し、それぞれが『どのような人に向いているのか』を考えていきます。
Contents
iTunesについて
本題に入る前に、iTunesについて少しだけ。
『iTunes』といえば、ネット黎明期から圧倒的なシェアを誇っている音楽管理・再生ソフト。
Apple製のソフトであるにも関わらず、その先進的なUIとAppleデバイスとの連携により、windowsOSにおいてもそのシェアを伸ばしました。
しかし、windows版のiTunesといえば、
- UIのレスポンスが悪い・リソース使用量が多い(重い)
- 設定項目が少ない、カスタマイズ性が悪い
- FLAC未対応・ASIO未対応・WASAPI未対応
- アプデのたびに仲間を呼ぶ(QuickTime、Bonjour for Windows etc…)
- やたらとコンピレーションアルバムしたがる
しかし、日本においては他のソフトの知名度が低いこともあり、ライトユーザーを中心に使用され続けてきました。
とは言え、Appleデバイスとの連携や、ネットラジオ機能の豊富さなど優れた点もありますし、iphoneやiPadなどの使いはiTunesを使用せざるを得ないという側面もありますので、iTunesはあくまでAppleデバイス管理ソフトとして活用し、普段使いの音楽管理ソフト・プレイヤーは別で用意するという形がベターかと思います。
Foobar2000
- WASAPI :コンポーネントで対応
- ASIO :コンポーネントで対応
- FLAC再生: コンポーネントで対応
- CDからのリッピング :標準で対応
Foobar2000は、WinampのPlugin制作者としても知られるPeter Pawlowski氏によって開発されたメディアプレイヤー。
全機能をモジュール化することにより、シンプルな作りと高いカスタマイズ性を実現しています。
圧倒的なカスマタイズ性能
foobarといえばカスタマイズ性能。
コンポーネント(プラグインみたいなものです)を本体に追加することで、様々な機能を上乗せすることができます。
コンポーネントは世界中の有志によって開発されており、その種類は非常に豊富。
- ASIOやWASAPIへの対応
- 歌詞やアートワークを自動で取得・表示
- Wikiなどからアーティスト情報を自動で取得・表示
- FLACなどフォーマットへの対応
などなど、カスタマイズ次第では本当に『なんでもできるプレーヤー』になり得るポテンシャルを持っています。
ネットラジオで再生中の曲のアーティスト情報や歌詞を自動で表示させたり、Youtubeのミュージックビデオを自動で再生させる等々、その可能性は無限大です。
スキンで一気にカスタマイズ
foobarは機能面だけでなく、外観も自由自在にカスタマイズすることができます。
海外のフォーラム(DeviantArtなど)には、フォントやレイアウトなどのUIと便利な定番コンポーネントを同封した『スキン』が無償で公開されており、スキンを導入することで様々なデザイン・機能のプレイヤーへ簡単に設定することができます。
【出典】左上:Mnlt2 Plus 2.0、左下:Momo、右上:Mnlt2、右下:Flex
【出典】左上:Eole、左下:barFIVE、右上:DarkOne、右下:Foolars2 – Glass Mod Final
FLEXやMnltシリーズ・EOLEなどなど、これまで様々な名作スキンが生まれ、世界中で愛用されてきました。
このようにシンプルで洗礼されたUIは、当時のソフトウェア・UIデザイン界隈において極めて先進的であり、初めてスキンを導入した時の感激は今でも忘れられません。
導入はスキンによっては多少手間のかかるものもあり、最低限の英語力が必要になる場合もあるため、すこし敷居が高く感じるかもしれませんが、慣れてしまえばそれほどの難易度ではありません。
しかし残念ながら、これらスキンの多くは、現在では開発・更新が停止しており、全ての機能が正常に動作するスキンは年々少なくなっています。
Windowsのソフト開発自体が急激に衰退している昨今ですので、仕方がないのでしょうね。
foobar2000はこんな人にオススメ
- 色々な種類の外観から選んで使いたい
- プレイヤーを自分好みにカスタマイズしたい
- ある程度の事は、自分で調べて解決することができる
- 英語に大きな抵抗がない
非常に軽量で多機能なプレイヤーなFoobar2000。
英語に抵抗さえなければ、その高いカスタマイズ性によって、
「世界にひとつだけの」自分に見合ったプレイヤーに進化させることができる点が最大の魅力です。
カスタマイズと聞くと難しそうで、敷居が高い印象を受けるかもしれませんが、日本語Wikiや、有志の解説記事などを参考にすれば、そこまで難易度の高いものではありません。
しかし、スキンとコンポーネントの相性による不具合や、foobar本体のバージョンとの相違によるトラブルが起こってしまうことも多々あり、その解決のためには、やはりある程度のリサーチ力や英語力が必要になる場面もあるでしょう。
そういった意味では、やはり敷居の高い上級者向けのソフトと言えそうです。
スキンの導入や、コンポーネントについては、機会があれば記事にまとめたいと思います。
MusicBee
MusicBeeは、2008年にリリースされた比較的新しいメディアプレーヤー。
あの「米Lifehacker」編集部も、「Windows版ベスト音楽プレーヤー」としてMusicBeeを選出しています。
はじめから完成された高機能プレイヤー
MusicBeeの持つ最大の特徴といえば、デフォルトでの完成度の高さでしょう。
コンポーネントの追加によって進化していくFoobarに対し、MusicBeeは標準状態で既にフルカスタマイズされたfoobarのような豊富な機能を備えます。
- 標準でASIOドライバ、WASAPI排他モードに対応
- 標準状態で十分に洗礼されたUIおよびUIデザイン+様々な付属スキンもあり
- Foobarなみに軽快なレスポンスで操作性も抜群
- FLAC、Ogg Vorbis、WMA、WAV、ALACなど豊富すぎる対応フォーマット
- CDリッピング機能+タグ付けも簡単
- Last.FMとも同期可能
- ショートカットキーが豊富で便利
などなど、挙げ始めるとキリがありませんが、標準で様々な機能を有しています。
さらに、foobarと同様にプラグインを追加する事で、歌詞表示などの様々な機能を加える事も可能です。
日本語に完全対応
MusicBeeは海外のソフトウェアであるにも関わらず、日本語に完全対応しています。
アップデートでUIから設定項目、インストーラーと順次日本語に対応させ、現在では国産のソフトと見間違えるほどに、完璧な日本語化に成功しています。ありがたや。
CDリッピング機能も抜群に優秀
こちらもMusicBeeの特徴としてよく挙げられる機能の1つ。
CDからのリッピング機能が標準搭載されており、これが非常に軽快で便利。
さらに、かつてWinAmpがそうであったように、
Gracenoteのデータベースからデータを読み取り自動でタグ付けまでしてくれます。
プラグインを組み合わせれば、アートワークや歌詞などの自動取得も可能です。
MusicBeeはこんな人におすすめ
- カスタマイズとかめんどくさい
- CDから頻繁に楽曲をインポートする
- iTunes意外のソフトを初めて利用する
- 英語は嫌いだ
紹介してきた通りMusicBeeは軽量で高機能な完成されたソフトウェアです。
カスタマイズの敷居が高いfoobarに比べ、デフォルトの完成度が高く日本語に対応したMusicBeeは、
iTunes意外のソフトを使った事が無い方にもオススメできます。
音楽ファイルのスキャン能力やDB化も抜群に優秀で、さらにiTunesのプレイリストを自動で取り込むことも可能なため、iTunesからの移行はPCに疎い方でも容易でしょう。
MusicBeeは現在でも精力的に開発・更新が行われており、今後もより改善されると思われます。
自分に合ったプレイヤーを
言うまでもなく、全ての人にとって素晴らしいと言えるソフトウェアはありません。
これまで紹介してきたとおり、foobarとMusicBeeはいずれも高機能で使いやすく、全体的な性能に大きな差はないでしょう。
両者の間にあるのは、細かい機能面やデザインの差異であり、結局のところ自身の環境や感性に見合う方を選択するのがベターかと思います。
より高機能なプレイヤーを試してみたいという方は、ぜひfoobar2000・MusicBeeを一度お試し下さい。