Kurasheepでも何度か紹介している、コスパ抜群『Knot(ノット)』の腕時計。 シンプルでコスパ最高な国産腕時計メーカーKnot(ノット)のすすめ │ 2年間使用レビューとオススメの組み合わせ
そんなKnotの代表作といえばスモールセコンド『CS-36』。
クラシックでシンプルなデザインが魅力の圧倒的人気ケースです。
しかし『CS-36』は、電池駆動のクォーツ時計であるため、
当然ながら使用していればいずれ電池が切れます。
公式の有償サポートも利用できるのですが、僕の場合は
- 電池が切れるたびに持ち込むのが面倒
- 少しでも費用を節約したい
- なんかこういうの自分でやりたい
といった理由から自分で電池交換を行っています。
そこで今回は、実際に僕が行っている電池交換の方法とそのコツについてまとめます。
Contents
事前に確認してほしい3つのこと
自力で電池交換をする前に、3点確認していただきたい事があります。
1.公式の有償保証もあります
先にも書いた通り、knot公式の修理サービスを利用する事もできます。
電池交換は『1年間の無料保証』の対象外となっているため有料ですが、カスタマーサービス経由で商品を送付することで全国どこからでも電池交換の依頼が可能です。
ちょっぴり割高なうえに期間も数週間かかってしまうのですが、防水検査等も含めしっかりと点検してもらえますので、確実に直して欲しい方にオススメです。
2.都心にお住まいの方は持ち込みが安くて確実
都心部にお住まいの方にぜひ利用してほしいのが『ギャラリーショップでの電池交換サービス』
こちら2016年に始まったサービスなんですが、かなり素敵です。
吉祥寺、表参道、神戸元町、心斎橋、福岡天神といった各地のknotギャラリーショップに時計を直接を持ち込むことで、
- 通常2000円弱の電池交換が1000円ポッキリ
- 防水チェックや裏蓋のパッキン交換も無料
- 混雑していなければ30分程度の所要時間
という、非常に充実したサービスを受けることができます。
全国8店舗(執筆時)のギャラリーショップのお近くにお住まいの方はぜひ。
北山 羊輔
3.自力での電池交換は自己責任で
出典:knot-designs.com_Maker’s Watch Knot 保証内容
Knotではクォーツ式の場合『1年間の無償保証期間』が設けられています。
自力で電池交換をした場合、上記における『規定に基づいた正常なご使用状態』を逸脱し保証の対象外になる可能性があります。
また、腕時計の電池交換は『裏蓋を外して電池を取り替えるだけ』の単純な作業なので、時計本体を故障させる可能性は極めて低いとは思うのですが、万が一の事もあり得ますので、自力で電池交換をされる際には、そういった事をしっかりと認識したうえで全て自己責任でお願いします。
ラムすけ
北山 羊輔
電池交換に必要な道具
Knotの電池交換にあたって僕が使用している道具は以下の3つです。
- こじ開けヘラ
- 新しい電池
- 裏蓋閉め機
Amazonなどでは『腕時計工具◯点セット』といった商品が格安で販売されていますが、どのセットもオープナーの経が大きく、スモールセコンドの裏蓋閉めができる工具が付属していないため使用していません。
1.こじ開けヘラ
『裏蓋オープナー』とも呼ばれる、時計の裏蓋をこじ開けるヘラのような工具です。
Knotの裏蓋のこじ開け口の直径は5mmなので、こじ開けヘラも『先端幅が5mm』のものを使用しています。
2.新しい電池
腕時計用の小さなボタン電池。安いです。
ムーブメントの型番は公式では明記されていませんが、僕が持っている3つのKnotスモールセコンド(CS-36)には、全て『Miyotaの1L45』という有名な国産ムーブメントが搭載されていました。
ですので、電池の規格は1L45対応の『SR621SW』で間違いないと思うのですが、ネット上ではなぜか違う電池が搭載されていたという報告がチラホラ見受けられるため、
念のため『ケースを開けて電池の規格を確認してから購入』するのが無難かと思います。
3.裏蓋閉め機
裏蓋を指で閉めるのは非常に難しいため、この変な形の道具を使います。
今回は、1000円前後で購入できるノーブランドの商品を使用します。値段相応に雑な作りですが、重心はしっかりしており使用には問題ないかと思います。
必要な金額
執筆時(2018年7月21日)時点のAmazonでの販売価格(送料込)は、
- こじ開けヘラ: 760円
- ボタン電池 : 173円
- 蓋閉め機 : 980円
ですので、トータルでおよそ1900円の工費になります。
Knot公式の有償保証を利用するよりも若干安くつく程度ですね。
しかしもちろん、自力修理の最大のメリットは、
『一度道具を揃えてしまえば2回目以降は電池代だけで交換できる』という点にあります。
そういった事を踏まえたうえで、有償修理・持ち込み修理と比較し、改めてご検討ください。
自力での電池交換に向いている方
- knotのギャラリーショップがお近くに無い方
- knotのケース(時計本体)を複数お持ちの方
- knotの腕時計を今後も長く使っていきたい方
- こういった事を自分でやってみたいタイプの方
作業工程
それでは、ここから実際の作業の流れを時系列で解説していきます。
作業自体はすごくシンプルで、慣れてしまえば5分もかかりません。
作業全体の流れはこんな感じ。ね、簡単でしょ?
念のため、各ステップのポイントを説明していきます。
STEP1.裏蓋を開ける
電池交換をするためには、時計裏面の蓋を外す必要があります。
CS-36の場合は、ケース裏側の右下部分にこじ開け口があります。
ここにオープナーを挿入すると、裏蓋が \パカッ/ と開きます。
開きにくい場合には、決して無理にグリグリと押し込んだりせず、
先端が挿入された状態で軽く押し込みながら優しく上下に動かしてみてください。大抵はそれで開きます。
強い衝撃は文字盤浮きなどのリスクがあり危険ですので、あくまで『優しく』です。
重要なのは『力よりも角度』です。本体に傷をつけないためにも根気強く慎重に作業することをオススメします。
無事に裏蓋が開くと、こんな感じでMiyotaのムーブメント(1L45)が露出した状態になります。
STEP2.電池を取り出す
電池をムーブメントから取り出します。
ストッパー金具を手前に軽くひいてあげることで、電池のロックが解除されます。
Miyotaのムーブメントの場合、電池横の
ロックを解除することで電池が浮き上がり、簡単に取り外すことができるようになります。
STEP3.新しい電池を取り付ける
電池の取り付けに際しては「ピンセット」を使用することもできます。
電池の横(側面)を挟むようにしてください。
ただし金属製のピンセットを使用する場合、表面と裏面を同時に挟んでしまうとショートの恐れがありますので、必ず改めて電池の型番を確認したうえで、台座に電池を設置します。
取り外した際と同様に、ストッパーが『カチッ』とロックされるまで電池を優しく押し込んでください。
電池や本体に異常が無ければ、この時点で時計が動作し始めます。秒針がしっかりと動いているか確認してみてください。
STEP4.裏蓋を閉める
さぁいよいよ、裏蓋閉め機の出番です。
裏蓋閉め機はその名の通り、上下のコマで時計と蓋を「ギュッ」っとプレスして蓋を取り付けてくれる工具。
下に時計を乗せる台座のコマ、上に裏蓋をプレスするコマをそれぞれ取り付けて使用します。
- 台座にする下コマは、時計のガラス経と合ったサイズ
- プレス用の上コマは、裏蓋の経に合ったサイズ
コマのサイズは、こういった基準で選ぶのが一般的かと思います。
Knotの時計はケースに対してガラスの面積が大きく破損しやすいので、台座にするコマは必ず『時計のガラス面が台座に付かないサイズ』を選んでください。
先程紹介したノーブランドの安い閉め機を使用する場合、
使用するのは『42mm』の台座コマと、プレス用のフラットなコマの2枚です。
上下のコマをくるくると回して『使用したい面が表になるように』取り付けてください。
裏蓋には正しい向きがあります
あとは時計と蓋をセットしてプレスするだけなのですが、
必ず確認していただきたいのが『裏蓋の向き』。
裏蓋には小さな『くぼみ』が付いており、必ずこのくぼみが時計内部の軸の上にくるように設置する必要があります。
この軸は本体にガッツリ繋がっているリューズの軸なので、しっかり合わせないと致命的なダメージにつながります。
まぁ要するに『元々付いてた通りに表裏の向きを合わせて』蓋を付ければOKです。
蓋の向きにズレがない事を確認したら、レバーをゆっくり倒してプレスしてください。
『ペキッ!』と乾いた音が鳴ったら、蓋が閉まった合図です。
プレスには強い力は必要ありません。閉まらない場合は無理に押し込まず、時計の向きや位置を調整してみてください。
最後に、蓋が隙間なくしっかりと閉まっていることを確認すれば、
これで電池交換作業はすべて終了です。お疲れ様でした。
ダニウェリやスカーゲンなどでも応用可
ちなみにこの電池交換法は、ダニエルウェリントンやSKAGENといった、その他の『ビッグフェイス系ブランド』の腕時計においても活用できる場合があります。
低価格帯の同系列ブランドではKnotと同じ『Miyota製のムーブメント』を使用している可能性が高く、ケースの構造も似ているためそのまま応用しやすいのです。
もちろん、ムーブメント型式やケースの構造等には若干の差異がありますので、全て同じというわけにはいきませんが、十分に参考になるかと思います。
今回の記事では、実際に電池交換をするにあたって『少しでもリスクと不安を減らせるように』と、作業における注意点やポイントを細かく挙げていきました。
結果的にそれなりのボリュームになってしまいましたが、皆様の電池交換に少しでも貢献できていれば幸いです。ありがとうございました。