さて、以前から気になっていた『9h(ナインアワーズ)』というカプセルホテル。
どうやら「浅草」に新しい店舗がオープンしたという噂を聞きつけ、実際に宿泊してきましたので、
今回はその様子について、写真たっぷりで詳細にレビューしていきます。
Contents
ナインアワーズとは
初めに、ナインアワーズについて簡単にご紹介を。
9h(ナインアワーズ)は、油井 啓祐氏によって2009年に設立されたカプセルホテル。
1h(汗を洗い流す)+7h(眠る)+1h(身支度)
というシンプルな宿泊概念を基に、ハイセンスでシンプルな宿泊環境を提供しています。
そして、ナインアワーズといえば「独創的なコンセプト」。
この宇宙船を思わせるユニットの写真は、ネットで見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
世界的なプロダクトセザイナーである柴田文江さんが手がけた「近未来的」なコンセプトは、2010年のグッドデザイン金賞に選ばれています。
そんなオシャレで洗礼されたホテルでありながら、料金は全国一律1泊4900円からとリーズナブル。
メディアでもたびたび取り上げられている、今話題の次世代型カプセルホテルです。
浅草店は2018年9月にオープン
浅草店は2018年9月21日に開業したばかり。
成田空港や赤坂・京都・仙台などに続き、全国で9店舗目になります。
浅草店の最大の特徴は、1・2階にノルウェーに本店を構えるカフェ「FUGLEN(フグレン)」が併設されていること。
コーヒーやペストリーの朝食がセットになった、独自の宿泊プランも用意されています。
宿泊レビュー
10月某日、関東に1泊する用事があったため実際に宿泊してきました。
宿泊予約は、事前に浅草店の公式HPからクレジット決済。
およそ1週間前の予約でしたが「早割プラン」が適応され、
宿泊費はなんと税込み3,100円。 なにこれ安い。
料金は曜日や空室状況によって変わるようですが、この価格には驚きました。
建物の外観が素敵すぎる
つくばエクスプレス浅草駅から歩くこと約3分、
なにやら圧倒的な存在感を放つ建物が見えてきました。
こちらが、ナインアワーズ浅草とフグレンのビル。
もう外観からワクワクが止まりません。
設計は平田晃久さんという気鋭の建築家さんなんだとか。
立地としては、浅草西参道のすぐ目の前。
日中は人力車が通るような、情緒のある美しい通りに面しています。
受付ロビーのある最上階9階までエレベーターで上がります。
受付・荷物預け入れ
受付はシンプルで小さなカウンター。
名前と住所を確認してもらい、サインをするだけの簡単なチェックインを済ませました。
ちなみに、外出は24時間いつでも可能とのことでした。
チェックインを済ませると、無料のアメニティバックと2次元バーコードのついたカードキー、注意書きを渡されました。
ちなみに、アメニティバッグの中身はこんな感じ。
- 館内履き用のスリッパ
- 歯ブラシセット
- バスタオル
- フェイスタオル
- ナインアワーズ特製室内着(ちょいダサ)
その他シェーバーやボディタオルなどもフロントにて追加販売しているとの事でした。
チェックインを済ませると、男性客用のロッカールームに通されました。
ここで荷物を預け、靴をスリッパに履き替えます。
足元の番号を頼りに自分のロッカーを探します。
ロッカーの解錠には、チェックイン時に渡されたカードキーを使います。
カードキー表面の2次元バーコードをセンサー部分に近づけると・・・
「ピピッ」と軽快な音が鳴りロッカーが解錠されます。やだカッコイイ。
とりあえず靴と貴重品の入った荷物を入れておきます。
縦1メートルほどですが幅は狭く、大きなスーツケースを入れるのは厳しそう。
ロッカールームの近くには荷物置き場があり、ロッカーに入らなかったであろう大型の荷物がいくつか置いてありました。
セキュリティに不安を感じる方は、なるべく大型の荷物は避けた方が良さそうです。
アプリ利用者には追加タオル無料貸出や最安値保証などの特典もあるようです。
シャワールームと洗面所
もう夜も遅かったため、部屋に向かう前にシャワーを浴びることに。
シャワールームと洗面所は、ロッカールームのすぐ隣にありました。
シンプルで清潔感のある洗面台と向かい合わせに、シャワールームが10部屋ほど設置されています。
シャワールームにはガラス戸でしきられた脱衣所もあり、使用感は良好。
そしてバスアメニティーは、なんと知る人ぞ知る「TAMANOHADA」ブランドとのコラボ商品!
006は個人的にも使用していた懐かしいシリーズ。ミントのレモングラスの爽やかな香りに癒やされます。
ちなみにこちらも、フロントにて販売しているとのこと。
バスタオルもUCHINOとのコラボ品で、ふわふわ快適でした。
なんだか、アメニティへのこだわりがすごい。
洗面所にはドライヤーも完備されています。
カプセルフロアへ
さて、いよいよカプセルフロアへ。
男性用のカプセルフロアは5・6・7階。
今回のカプセルは5階なので、エレベーターで向かいます。
エレベーターを降りて見渡してみると、
そこは、ランニングマシーンの設置された素敵なフロア。
カプセルルームはそのフロアの反対側にありました。
再び2次元バーコードをセンサーで読み取って入室します。
扉を開けると、これぞナインアワーズ!といった光景。
まさに「宇宙船」を思わせる近未来的な内装デザインです。
1フロア25ポッドが詰め込まれた空間ですが、大きな窓があるため開放感があります。
トイレはフロア内に3部屋完備されており、これまた掃除の行き届いた清潔な使い心地でした。
フロアの端には、このような素敵なバルコニーも。
浅草の夜景を見ながらたそがれるには良さそうです。
カプセルユニットの設備と寝心地
カプセルは上下2段、互い違いに配置されており、
今回の僕のカプセルは2段目。ハシゴと手すりを使って登ります。
カプセル内はこんな感じ。思ってたより広い。
中厚手のマットレスと大きな枕、掛け布団の3点が配置されていました。
カプセルの入り口はロールカーテンで仕切れるようになっており、
廊下側からは完全に見えない仕様になっています。
なお、枕上部のユニットには、
- コンセント ×1
- 天井ライトの調光つまみ
- USBポート ×1
が、設置されていました。ちょっと埃が気になる(姑並みの感想)
さて、本題であるカプセルの寝心地ですが、
控えめにいって「かなり快適」でした。
かの「まくらのキタムラ」と共同開発したという半月型の枕は最高に心地よく、
マットレスもコイルタイプではないものの、柔らかすぎず硬すぎずのほどよい反発で、これまた快適な寝心地でした。
あとで調べてみると、このマットレスもニッケ商事の特注性なんだとか。
もうアメニティから室内の設備まで、
全てのアイテムがとことんこだわりぬかれており、感服しました。
ちゃんと黒字化できているのかちょっと心配。
残念だったところ
ぶっちゃけ目立って残念な点は見当たらないのですが、
強いていえば「音」に注意する必要がある点でしょうか。
これはカプセルホテルなので当然なのですが、
他の宿泊者のイビキなどの生活音はそれなりに聞こえてしまうので、耳栓やイヤホンは必須です。持ってて良かったサイレンシア。
また浅草という土地柄、外国人が多いこともあるのでしょうが、
「館内ルールがあまり守られていない」という点も見受けられました。
外国人宿泊者の一部は館内をスニーカーで移動をしていたり、カプセル内で電話や食事をしているシーンも何度か見られ、
チェックイン時などに、英語での利用マナーの説明がもう少し必要なのかなと感じました。
その他の館内設備
さて、このナインアワーズ赤坂は、フロアによって設備に違いがあり、
これがなかなか面白かったので、簡単に紹介していきます。
先程も紹介したように、5階の「ジム」フロアには、
海外のジムでよく見る高級トレッドミルが2台設置されています。
浅草の朝の景色を見ながら運動をするのは、なかなか新鮮でした。
6階には、ユニットフロア内にカードキーを使って入室できるラウンジ。
カウンターデスクのついた静かな部屋なので、作業に集中できそうです。
7階メインフロアのラウンジは、数人で集まってゆったり歓談できそうな素敵な空間でした。
この他にも、男子禁制の女性フロアには『温室』や『デスク』といった共用設備もあるようです。
特に温室が気になって仕方ないので、誰か女性の方レビューしてください。
FUGLEN(フグレン)も魅力的
冒頭でも紹介した通り、ナインアワーズ浅草には、
ノルウェー・オスロに本拠を構える「FUGLEN」という人気カフェの国内2号店が併設されています。
ナインアワーズとFUGLENは業務提携も行っているため、
このような、フグレンでの朝食がセットになったプランも利用可能。(※料金は空室状況によって変動)
しかし、フグレンが午前7時からの営業であるため、今回はフライトの都合でこのプランは利用できませんでした。
代わりに、前日の夕食後に寄ってみたので、店内の様子だけでも紹介しておきます。
店内はスペースに余裕のある、落ち着いた雰囲気のインテリア。
ゆったりと過ごしたい方は、2階のソファ席もオススメです。
エチオピア産の「Bokasso」というオーガニック豆を淹れてもらいました。
思っていたほど浅煎りの色味ではありませんでしたが、飲んでみるとハーブティーのような香りの強さとしっかりとした酸味が味わえて大満足。
遅い時間であったためペストリーは少なく、
唯一残っていたシナモンロールをいただきましたが、これもシンプルで上品な美味しさでした。
オーガニック系であるため全体的に価格設定は高めですが、
ゆったりと過ごせる雰囲気が素敵なカフェです。
浅草の街並を眺めながら、のんびりと過ごすことができました。
コスパに優れた次世代型カプセルホテル
と、いうことで今回はナインアワーズ浅草に宿泊してきた様子について、しつこいほど詳細にレビューしました。
個人的に最も印象的だったのが、
カプセルホテル特有の「不潔感」や「空気の悪さ」が一切ないということ。
全面禁煙である事や、空調などの工夫もあるのかもしれません。
各種アメニティや設備も快適に過ごせるようこだわりぬかれており、感銘を受けました。
「浅草」という土地自体のアクセスの悪さはあるものの、この価格でこれだけ清潔に宿泊できれば文句はありません。
また、清潔でフロア分けがしっかりとしているので、女性の方でも一人で安心して宿泊できるのは大きな魅力だと思います
ナインアワーズは先週、新大阪でも新たな店舗をオープンするなど、続々と展開を進めています。
参考 大阪府内初のカプセルホテル「ナインアワーズ新大阪駅」、10月22日に開業kankokeizai.com店舗毎に建築や内装に様々な違いがありそうですので、機会があれば別の店舗にも宿泊し、色々と比較しながらレビューできればと思います。
本記事が、宿泊をご検討されている方等の参考になれば幸いです。